タクト ステレオ 真空管レコードプレーヤー修理 神奈川県 T様
Takt STEREO ポータブル ステレオ レコードプレーヤーの修理。
1960年代にタクト(兼松家電販売)から発売された真空管のステレオ レコードプレーヤーです。
使用真空管:60FX5(x2)
主な修理内容は、ターンテーブルの回転速度が遅い不良、ステレオ音声が音像低位しない問題などがありましたので修理いたします。また、お客様のご要望で、高域をソフトにするための音質改善も行います。
尚、フォノモーターボードの取付けビスのネジ頭がつぶれており、ドライバーで取外す事ができない状態のため、ビスの強制撤去後、ネジ穴の補修作業を行い、新しいビスに交換します。
【状態および修理内容】
- 内部の修理を行うため、フォノモーターボードを外す必要がありますが、ネジの頭がつぶれているので、ネジ頭を強制撤去して取り除き、モーターボードを取り外しました。
キャビネット側のネジ穴をパテ埋め補修して、新品ネジ・ローゼットワッシャーに交換。
(ネジ・ワッシャーは4カ所全て新品交換)小さいビスのため、作業に多くの時間が掛かりました。 - フォノモーターのシャフトと軸受けがオイル切れで、モーターの動きが悪く(重く)なっていましたが、注油してスムーズに回転するようになりました。
- アイドラーのスリップ防止のため、プーリーを清掃しました。
- アイドラーの動きを良くするため、アイドラーシャフトを清掃して、グリスアップしました。
- アイドラー(ゴム)スリップ防止のため清掃後、表面を極わずか研磨しました。
- 回転摩擦を軽減するため、ターンテーブルシャフトと軸受けを清掃して、グリスアップしました。
- アイドラーとプーリーの位置(高さ)がズレていて、接地面積が少ない状態になっていました。
スリップや偏摩耗防止のため、位置ズレを直しました。 - 真空管アンプ部、アースラインが、右チャンネル・左チャンネル同じ回路(ツインモノ)になるように変更し、ノイズ対策をしました。
- お客様のご要望により、低域と高域のバランスを調整しました。高域は少しソフトにしました。
- ステレオスピーカーの音像定位に問題があり、内部調査したところ、右チャネルのアウトプットトランスの配線が、後から逆相接続した形跡があったため、正相配線に直しました。
これにより違和感がなくなり、逆相で打ち消されていた低音域や、ボーカルはセンターに聞こえるようになりました。
- TAG:タクト, レコードプレーヤー修理
- 電蓄修理・修復・改造
- 2018/09/11 16:00
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