テクニクス SL-6 修理 長野県 T様
テクニクス SL-6 スタートボタンを押してもターンテーブルやアームが動かない故障の修理。
まずはセンサー類を疑いましたが、SL-6の内部を調査した結果、 ボタン操作を受け付けない状態である事が分かりました。同じサイズのスイッチが入手不能のため、既存スイッチを分解整備するかたちで修理しました。
テクニクス SL-6は、1982年(昭和57年)頃に発売されたリニアトラッキング方式のレコードプレーヤーで、CDのようにボタン操作で、10曲までのプログラム選曲ができる機能が特徴です。
【状態および修理内容】
- スタートボタンの不良ですが、ボタンの形はそれぞれでも、プログラムボタンを含め、内部のスイッチは全て共通部品です。中には動作するスイッチもあれば、時々動作するスイッチもあり、経年劣化の状態は似ておりますので、全てのスイッチを分解整備しました。その後、正常に動作する事を確認しました。
- スイッチの分解整備は、電極側とバネ側の接点を磨いてから、接点保護のため、接点グリスを塗布しております。
- 針圧が軽くレコードをトレースしない状態でしたが、規定値に調整した結果、正常にトレースするようになりました。
- ターンテーブルの回転数が遅い状態でしたが、調整により適切な回転数になり、安定している状態を確認しました。(ストロボスコープの写真は調整作業中の様子です)
尚、SL-6はFGサーボ方式ですため、周囲の温度や、部品の劣化など、環境により回転数にズレが生じる場合があります。しかしながら、回転数が正確なクォーツ方式でも、回転制御に揺れが発生する場合があり、必ずクォーツ方式が良いとは言えないと思います。 - SL-6の特徴である選曲位置の微調整を行い、弊社のレコードで正常動作を確認しました。
大変便利な機能ですが、レコードの状態によりましては、正しく選曲できない場合があるようです。新しいセンサーは入手困難ですため、既存センサーを使用して、調整の範囲内での整備になります。
以上の修理で、テクニクス SL-6の正常動作を確認しました。
※SL-6の動作確認は、弊社の針を使用します。お客様の針は、お客様の手元に保管をお願いしております。
- TAG:SL-6修理, テクニクス
- SL-10系 プレーヤー修理
- 2022/03/28 19:00
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