SL-10 レコードの同じ個所を繰り返す故障の修理 三重県 W様
テクニクス SL-10 レコード再生中に針が先へ進まず、レコードの同じ箇所を繰り返す故障と、操作ボタンを受け付けない時がある故障の修理を行いました。
【状態および修理内容】
- アーム駆動用ギアの汚れ(劣化したグリス等)を除去しました。また、ゴムベルトが掛かる金色のプーリーの表面に、汚れが固着していましたので、表面を磨き汚れを除去しました。
- 各部をグリスアップしました。なお、弊社で使用するグリスは、半透明のタイプですので、写真ではわかりにくいと思いますが、全体に塗布しております。
- トーンアーム駆動用のモーターシャフトに、専用オイルを注油しました。油を浸透させてから、しばらくの間、モーターを単体で回転させて、スムーズに回転する状態を確認しました。また、ゴムベルトが掛かる金色のプーリーに頑固な汚れが付着しており、ベルトがスリップしやすい状態でしたので、表面を磨いて汚れを除去しました。
- アーム駆動用ゴムベルトが経年劣化により、硬化してスリップしやすい状態でしたため、新しいベルトに交換しました。
- アームから繋がるコードが、スムーズに収納できないと、アーム移動の妨げになり、動作が不安定になる事があるため、劣化したグリスを除去して、新しくグリスアップしました。
- アームガイドレールを取り外して清掃しました。清掃後グリスアップしました。
- 制御基板上のコンデンサから液漏れして、緑色に腐食が見られますので、不良コンデンサを交換しました。液漏れした部品は使用できません。深刻な故障に繋がりますため、直ちに交換が必要です。
- 写真を掲載しておりませんが、システムコントロール基板(マイコン基板)に半田付けのクラックが見られるため、半田を修正しました。
- 各操作ボタンのスイッチが接触不良で、押しても動作しない事がありました。同じ高さのスイッチが入手困難のため、既存スイッチを分解整備して、接触不良を改善しました。全ての接点を磨きますので、新品スイッチに交換する作業よりも手間がかかります。
上記の修理・メンテナンスで、SL-10の正常動作を確認しました。
尚、素敵なオーディオルームの写真は、W様より提供いただきました画像です。
※SL-10の修理をご注文される際は、針、カートリッジは、お客様のお手元に保管をお勧めしております。
また、取扱説明書や資料などは不要でございます。
- TAG:SL-10
- SL-10系 プレーヤー修理
- 2023/08/02 18:00
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